仮想通貨を安全に保管。おすすめのローカルウォレット4選

ローカルウォレット
この記事の所要時間: 727

仮想通貨を安全に保管する手段として、ウォレットが挙げられます。

ある調査結果によるとウォレットで保管をしていないユーザー、つまり取引所だけで通貨を保管しているユーザーは全体の約3割いるそうです。

目に見えず実体のない仮想通貨ですが、改正資金決済法において「財産的価値を持つモノ」であるという事が定義されました。そこには、

1.不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる。

2.電子的に記録され、移転できる。


3.法定通貨又は法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない。

と明記されています。
 
 
法定通貨と交換できる、という事は今までのお金同様、安全に保管する必要があるということです。今回はその仮想通貨を保管するための仕組みである仮想通貨のウォレット、その中でもセキュリティが比較的高いとされる「ローカルウォレット」についてご説明します。

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ローカルウォレットとは

利用しているパソコンにソフトウェアをダウンロードしてローカル環境で使用するタイプのウォレットです。名称はクライアントウォレット、デスクトップウォレットとも呼ばれています。またパソコンだけでなく、モバイルで利用出来るタイプもあります。

サービスによっては、オンライン環境とオフライン環境(ローカル環境)の両方で利用できるものもありますがオフライン環境は、よりセキュリティに優れていると言えます。

ただしセキュリティ性が高い反面、パソコンの破損や故障により仮想通貨の取り出しが出来なくなる可能性やハッキングやウイルス感染の危険性もゼロではありません。常にバックアップやセキュリティ対策に気を使うことは重要です。

ローカルウォレットには、専用のソフトウェア以外に、既存のブロックチェーンも一緒にダウンロードされるのでパソコンの容量を必要とする場合があります。そして、全てのブロックチェーンをダウンロードする「完全型」と一部のチェーンをダウンロードする「簡易型」の2種類があります。
 
 

「完全型」のローカルウォレット
使用する際にそれまでの莫大な量の取引をブロックチェーンのデータですべてダウンロードする必要があります。そのため、初回起動時は利用までに数日かかる事があります。また、ブロックチェーンは数十ギガバイト以上あることに加え、日々とともに徐々に容量が増えていくため、パソコンの容量スペースを圧迫するのもデメリットです。

 

「簡易型」のローカルウォレット
外部サーバーのブロックチェーンを参照する形式のため、インストール後すぐに使用開始できるメリットがあります。ただし、外部サーバーを介するためにセキュリティ面では「完全型」に劣る傾向にあります。

 
 
 

おすすめローカルウォレット・「Bitcoin Core」

ローカルウォレット Bitcoin Core

ビットコインの開発コミュニティである「Bitcoin.org」 からリリースされている公式ローカルウォレット、それが「Bitcoin Core」です。

完全型のローカルウォレットで、初期は数時間~1日以上かけてすべての取引履歴を読み込む必要がありました。しかし、度重なるバージョンアップによってブロックチェーンデータのヘッダーのみを先にダウンロードすることにより、起動の際の同期に掛かる時間が当初の8000分の1にまで短縮されました。

取引手数料を調整可能とする事で、手数料を多めに支払い取引の速度と確実性が高める事が可能です。日本語対応もされていて、バックアップ対策はデジタル形式で講じられます。
 
 
 

おすすめローカルウォレット・「Electrum」

ローカルウォレット Electrum

「Electrum」は、簡易型(軽量型とも言う)のローカルウォレットで、インストールからすぐに使用可能なのが特徴です。

コールドストレージ機能と言ってオフライン環境でも取引出来る特徴があります。「Electrum」も日本語対応がされており、初心者には使いやすいでしょう。

バックアップ対策はペーパー形式です。ペーパー形式は、紙のバックアップを印刷したりマスターキーをメモしたりしておくだけで、二度とバックアップを行う必要はありません。

印刷する事で、物理的にバックアップが盗難されない限りこのバックアップが流出する可能性が低いので、セキュリティにはより優れていると言えます。
 
 
 

おすすめローカルウォレット・「Copay」

ローカルウォレット Copay

「Copay」も、Electrumと同じく簡易型のローカルウォレットでBitPay社が開発しているウォレットです。

iOS/Android/PCなど多くのデバイスに対応しているオープンソースが特徴です。スマートフォン版、IOS版、ウィンドウズ版の違いがほとんどなく、ウォレットの復元フレーズを別のデバイスでも使えたり、機種変更などにも対応可能です。多機能かつ日本語対応しているウォレットであるのも特徴的なウォレットです。

「Copay」と「Electrum」に共通する機能に、マルチシグネチャ機能があります。
マルチシグネチャ(multisignatur)機能とは、直訳すると「複数署名」です。

この機能を利用すると、仮想通貨の送金時に複数の署名(鍵)が必要となります。送金の際に複数の署名が必要なアドレスという意味で「マルチシグネチャアドレス」などと呼ばれることもあります。

セキュリティ面が非常に強力で、セキュリティを高めるだけでなく、家族・会社内でのウォレットの共有、エスクロー(取引の安全を保証する仲介サービス)などへの応用も考えられます。

「Copay」ではモバイルアプリも提供しており、デスクトップウォレットとモバイルウォレットで、このマルチシグネチャ機能を使用することにより、二段階認証機能として利用することもできます。
 
 
 

おすすめのローカルウォレット・「mSIGNA」

ローカルウォレット mSIGNA

「mSIGNA」は「完全型」で、CiPHREX社が提供するローカルウォレットになります。

マルチシグネチャ機能に標準対応しており、セキュリティも比較的高いウォレットと言えます。ただし、まだベータ(開発途中の試用版)版でユーザ向け説明書が不足している上に独自のウォレット構造で初心者には分かりにくいのが欠点です。

日本語も未対応ですが、日本での仮想通貨市場の動向次第では対応がサポートされるかも知れません。
 
 
 

ローカルウォレットの注意点

ローカルウォレットはプログラム(アプリ)の一種です。そのため、アップデートやバグ、サポート中止も付き物です。

なかには開発が終了されたものもあったりします。例えば、「Multibit」は2017年7月に開発終了が発表されました。後継開発者もおらず、今後のバグ修正等サポートもされないことが明言されています。

かつてのWindowsXPのように、サポート中止後ハッキング対象になる事も考えられます。サポート中止のウォレットは使用を中止し、他のウォレットに仮想通貨を移動させる事が推奨されます。

また、使用するデバイスや環境(ブラウザ等)によって機能が制限されるケースもあるので注意が必要です。
 
 
 

最後に

仮想通貨を保管するウォレット「ローカルウォレット」を紹介いたしました。

仮想通貨を保管するウォレットには他にもいくつかの種類があります。それについてはこちらの記事で紹介しています。
>仮想通貨のウォレットとは?安全に管理するウォレットの役割と種類
>仮想通貨を安全に保管。おすすめのハードウェアウォレット

ウォレットにはそれぞれ特徴があり、それによってセキュリティーの強度も異なります。また頻繁に取引を行う方であれば、使い安さや使い勝手の良さも選択の上では重要なポイントになるかと思います。

その編をふまえた上で自分にあったウォレットを選ぶようにしましょう。


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