仮想通貨の売買、取引によって利益を得た場合には、確定申告と納税をしなければなりません。そこでミスをしないようにするためには、それらについて正しい知識を持っておく必要があります。
そして、見逃してはならないのが、利益確定のタイミングについてです。
利益確定のタイミング次第で納めなければならない税金が大きく上下することもあり得ますので、利益の確定は計画性を持ったものとしていきましょう。
確定申告について再確認してみよう
仮想通貨の取り扱いによって大きな利益を得た人も少なくないと思います。仮想通貨という言葉はまるでゲームのような響きを感じさせるものかもしれませんが、それらは確かに私たちの実利となっているのですから、稼いだ利益をまとめ上げ、確定申告と納税をしなければなりません。
確定申告の時期が近付けば、出先の各所で確定申告を促す広告物を見かけるようになると思いますので、確定申告の存在自体に目をつぶることは客観的にも許されないものとなります。
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確定申告では前年度の利益について申告することとなりますので、期限前までに利益額についてまとめておく必要があります。年末年始を経て、あっという間に2月も終わっていくものであり、寸前になってまとめようとしていては思うように作業が進まないことともなりかねませんので、早めに利益額を確定させるように動きだしましょう。
確定申告義務者となるのは、20万円以上稼いだ人ですので、自身が義務者であるかどうかも判断しなければなりません。
1月1日~12月31日までのあいだに稼いだ利益について、翌年の3月15日までに確定申告と納税を済ませる格好となります。期限までに確定申告をしなければ、無申告加算税や延滞税などのペナルティーが科せられるかもしれませんので、期限を守って申告するように心がけましょう。
利益について正しい知識を持つ
仮想通貨での儲けは、雑所得として確定申告することとなります。これは国税庁のホームページでビットコインを例としながら説明されているため、所得の項目を各自が調整することができません。
雑所得は総合課税となってしまいますので、より高い税率での納税が義務付けられます。
このような状況にもかかわらず、損失を繰り越すこともできませんので、仮想通貨取引によって得られた利益を対象とする税制自体がまだ整備しきれていないのが現状なのですが、払うべきものを払わなければ、余計にひどいこととなってしまいますので、私たち一個人は税制に従った手続きをしなければならないのです。
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確定申告は手にした利益について申告するものであり、それが課税対象となりますので、利益についてまとめるためには何を指して利益とされているのかを知っておく必要があります。
【利益を確定させたと捉えられる場合】
1. 仮想通貨のトレードによって得た差益
仮想通貨の売買によって得た差益は当然、利益として取り扱われます。
例えば、1BTCを100万円で買っておいて、後日に150万円まで値上がりしたので1BTCを売ったときには50万円の利益となります。仮に、0.2BTCだけ売った場合には10万円の利益となるのですが、手にした利益は20万円に届いていないため、確定申告義務者とはなりません。
2. モノや仮想通貨に交換した場合
ネット上でも、間違った情報を掲載しているようなサイトでは、モノに交換した場合には利益とならないような記述をしていたりしますが、決してそのようなことはありません。
お店でモノを購入するということは、そのお店は現金を受け取っているわけであり、そうでなければ品物を渡してくれるはずがないのです。仮想通貨で決済した場合には、そのときのレートで間接的に現金化していることとなります。
100万円で購入した1BTCを保有していたところ、1BTC=150万円となっていたとき、15万円のパソコンを買うためにビットコインによる決済をおこなったとすれば、決済されて消失するビットコインは0.1BTCです。
この0.1BTCは10万円で購入しており、15万円の代わりとしたわけですから、差額となる5万円は利益に他ならないのです。ネットからの情報を鵜呑みにして、税金対策としてモノの購入をした覚えがあるのであれば、早々にその総額をまとめてみたほうが賢明です。
また、仮想通貨同士の交換においても、上記と同様の考え方がされます。直接、日本円に替えているわけではありませんが、日本円での決済が介されたと考えた場合、差益は確かに存在しているといえるでしょう。
【経費は忘れずに控除しましょう】
仮想通貨取り扱いについて、申告できる経費はそれほど多くないのが実情です。パソコンやスマホの購入費、インターネット通信費、それらを使用する際に生じる電気料などは、経費として認められますが、全額が認められるわけではありません。
なぜなら、それらは仮想通貨取引のみに使われるものとはいえないためです。プライベートでインターネットを閲覧したり、スマホでゲームや通話をしているようであれば、それらの分は経費とされないため、按分して申告しなければなりません。
税理士を頼ることなく、自力で申告する場合には、各種の領収証をとっておき、エクセルなどで管理しておくといいでしょう。確定申告の時期が近付けば、無料相談会なども税務署で催されますので、そのようなときにエクセルから経費として考えられるものの一覧を印刷して持っていき、税務署の担当職員の支持を受ければ、間違いのない手続きができることとなります。
事前相談会を介さずに確定申告をしたとしても、それほど大きな問題とはなりません。経費として認められないものがあれば、税務署から指摘を受け、修正申告をする流れとなります。
この場合、経費を水増ししたことによる脱税行為とはされず、経費についての認識の違いとして取り扱われます。
節税のために効果的な利益確定のタイミング
確定申告は前年の利益について申告するものなのですから、12月31日を超えてポジションをどのように持つか考えることで、不要な課税対象を生じさせることもなくなります。
具体的には、12月31日までに20万円を超えない範囲内で利益を確定すればいいのです。しかし、これも一概に有効な手段であるとはいいづらいものです。仮想通貨の値動きはとても激しいため、長期保有しておくことで値下がりリスクも当然に大きくなるためです。
12月31日時点で手にしている利益を翌年に持ち越したところ、その利益自体が消失してしまうようなこととなれば、税金を払っておけばよかったと後悔することとなるでしょう。
これを考えれば、利益確定に年間20万円というラインを設定するのは、ガチホでの運用をベースとして、ちょっとしたお小遣い稼ぎ程度に利益確定するような人に向いているといえるかもしれません。
【損失の確定のタイミングも大切です!】
むしろ、損失の確定タイミングを年末に持ってくるかどうかを考えた方が、より効果的な節税対策となることでしょう。年末に含み損のある仮想通貨を売却して損切りすれば、それは利益総額を圧縮してくれますので、課税対象が小さくなることに直結します。
そのまま損失を来年に持ち越したところで、その年度に処分して損失計上したとしても、それを持ち越せるわけでもありませんし、早々に利益と相殺しておくのは精神衛生的にも悪くないはずです。
含み損も、確定していないだけで損失には他なりません。FXなどでは、どのタイミングで損切りするかを考えなければならない場面も少なくありません。FXでの考え方が、そのまま仮想通貨取引に当てはまるかどうかは微妙ですが、一つの提案として上記を参考としていただければと思います。
損失を確定させることは勇気のいる行動です。将来的に含み損が解消される可能性がある反面、より大きな損失へと成長していってしまうことも考えられます。また、利益の確定と同様に損失の確定もポジションの精算なのですから、割り切った対応も悪くないでしょう。
【一つの区切りとして年末に一括精算】
投資の世界では、クリスマスから年末にかけて世界各国の投資家も休暇に入ることから値動きも小さくなりがちです。しかし、新年を迎えた翌日にはいつも以上に激しい値動きを見せることが多々あります。
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ところが私たち日本人にとっては、これほどゆっくり過ごしたい期間もなかなかありません。これらをトータルとして考えれば、年末にかけてすべてのポジションをクローズし、翌年の確定申告と納税に備えるようなスタンスもおススメなのではないかと思います。
これを実践した場合、1年の振り返りと翌年の豊富も自発的におこなわれるでしょうし、リラックスしたい時間にストレスフリーでいられることができます。
最後に
仮想通貨取引による利益を確定させるタイミングは、確定申告や納税の都合ばかりでなく、その後の値動きの想定も含めた総合的な判断によって決める必要があります。
しかし、大前提として、仮想通貨は値動きの荒いものであり、そのときの価値がそれ以降も担保されるかどうかは常に不安が付きまとってしまいます。このような背景により、節税を目的とする利益確定のタイミングを理論上、語るのはできたとしても、それを実践してメリットを感じられる人はそれほど多くないかもしれません。
やはり20万円を超えたら雑所得として申告しなければならない税制の厳しさが影響を及ぼしてしまうのです。
それぞれのトレードスタイルを意識しながら、ポジションをどのタイミングで精算すべきなのかを日頃から考えておくことで、もっと理想的な利益確定のタイミングを追求できるようになるでしょう。
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